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天使とお茶会 最終夜

 大変長らくお待たせいたしました。
 月花さんとこの天使とお茶会 最終夜

がアップされたので、こちらも小説投下です。

 このお話は月花さんの『天使とお茶会』のイメージワークに対して、こちらで出てきたイメージにアレンジしてノベライズ(?)したものです。

 わたしの長い旅もついにクライマックス。
 彼女が最後に辿り着いた先に、意外なことが……?
 
続きはクリックでお願いしますです☆↓





 






 気が付くと、わたしは辺りがミルク色の世界にたたずんでいた。
 着ている服も、髪型も変わらないままのいつもの自分。
 自らの状態確認の後に、背後にスッと大きな姿見が現れ、わたしは鏡に映った自分をじっと見つめた。
 
 ……うん、大丈夫かな。

 鏡に映ったわたしは、にこっと笑顔を作った。

 そこから視界を外すと、頬に心地よい微風が当たり、目の前に広がる濃い霧の向こうから、一つの人影がこちらに向かってきた。
 しばらくしてわたしの目の前に姿を現した時、それは自分と同じ姿をした、もう一人の自分だった。

 でも、違うことが一つ。
 彼女の背中には、水晶のように透き通った、一対の翼が生えていた。
 もう一人のわたしが微笑むと、こちらもにこっと微笑み返し、その後お互いに笑いあった。

「「―はじめまして、もう一人のわたし」」

 二人で同時に挨拶をし、握手をした後、翼を持ったもう一人のわたしはこう話してくれた。

「……わたしはあなたの守護天使なんです。あなたが生まれる前から、ずっとあなたを見守ってきました。一生あなただけを守ることもあるし、時期によって守護するものが変わることもあります。それでも、『わたしたち』がすることは変わらないんです。ただあなたとともに在る、それがわたしたちの喜び。だから、今こうしてあなたに逢えてとても嬉しく思いますよ」
 満面の笑みで彼女がウインクすると、突然自分の周囲の気配が変化した。

 霧が薄くなり、気が付くとわたしたちは深い森の中にいた。
 どこからか歌が聞こえてくる。
 その方へと歩いてみると、森の堂々とした古樹の中でも一際大きな樹が歌っていた。

「やぁ、旅はどうだったかな?」
 わくわくと楽しげに、それを隠す様子もなく大樹が話しかけてきた。
「まぁ……いろいろとあったけど、自分のことを知る良い旅だったかな」
「なるほど、きみにとってはとても有意義な旅だったようだね」
「はい」
「またここに来ることがあったら、私にいろいろと話してくれないか」
「おっけー!」

 大樹と別れた後、わたしと天使のわたしは再び歩き出し、森を抜けると、一面に花が咲き乱れる草原が広がっていた。
 澄んだ青い空、ふわふわと浮かぶ白い雲、優しくそよぐ風、楽しげな小鳥のさえずり。

 その草原の向こうでわたしたちに気付き、手を振っている天使が一人。容姿がまりあすさんなガブリエル様だった。
 そちらに向かうわたしたちが気づいてくれるように、姿を変えてくれてたみたい。
「あ、ガブリエルさま!」 
 ようやく辿り着いたわたしが手を振りながら言った後、ガブリエル様は満面の笑みとともにわたしたちをそっと抱きしめ、その後にじっとわたしの顔を覗き込んだ。
「とても久しぶりのような気がするわ~。みんな待ってるわよ♪」
 ガブリエル様の後についていき、草原の中にある花畑に案内されると、そこは大きな敷物がひかれ、クッションにもたれかかるように既にくつろいでいる天使たちがいた。
「おっす、久しぶりだな」
 ラフな容姿のミカエル様の隣には、にっこりと微笑むラファエル様が。
「無事でなによりです。メタトロン、しえるさんが来ましたよ」
 彼に声をかけられたメタトロン様は、その隣にいたウリエル様と一緒にこちらに一礼した。
「おや、隣にいる彼女はしえるさんに似ていますね」
 メタトロン様が天使のわたしに言うと、ウリエル様はにこにこと微笑みながら、ティーポットを手にお茶を淹れている。
「今日のお茶はレミエル様の鈴月草の花をブレンドしたものですよ」
「えっ?レミエル様の新作のお茶なんですか?」
「はい、ここに来る前に急いでブレンドして持ってきたんです」
 レミエル様が座っているその隣で、ルシフェル様がわたしに声をかけてきた。
「しえるが来るまでに用意しないと、って慌てておったがな」
「そうなんですか……」
「彼はそなたを気に入ってるようだし」
 ちょ、ちょっと、と慌てふためくレミエル様の横で、ルシフェル様はくすくすと笑っていた。 
「はい、お茶をどうぞ。このお茶は『月鈴夢(げつりんむ)』というんですよ」
 ウリエル様からティーカップを手渡されたわたしたちは、そこから立ち上る香りと、綺麗なオレンジ色の水色にうっとりとした。
「「いただきます」」
 一口飲んでみると、ほのかな甘さが口の中に広がった。
「これすごく美味しい……」
 天使のわたしが感想を言うと、わたしはでしょ、でしょ?と彼女の顔を覗き込むようにして言った。
「よかった、気にいっていただいて」
 レミエル様が微笑んでいるところで、ガブリエル様がマフィンとクッキーを用意してくれた。
「こちらもどうぞ召し上がってください。さっき焼いたばかりなんですよ」
 チョコチップ入りのココアマフィンに、紅茶の葉を入れたクッキーと抹茶のクッキー。
「そういえば、まりあすさんもパンやお菓子作り得意なんだよねー」
「ええ、それに今回彼女の姿を借りたいと頼んだら、嬉しそうに快諾してくれましたから」
「それじゃあ、まりあすさんとはお知り合いなのですか?」
「はい。時々彼女の歌と演奏を聴きに行くこともありますよ」
 ガブリエル様とわたしが会話している途中で、ミカエル様が口を開いた。
「しかしお前なぁ……いろいろと無茶しすぎなんだよ」
「ミカエル様……」
「ウリエルから聞いたけど、お前世界樹を荒らしていた黒竜を昇華した時に大怪我しただろ」
「あ……」
「下手するとマジでお前どうなっとったかわからんかったんだぞ。場合によっては退く事も考えれ」
 な、とミカエル様がぼやくように言ってきたところで、ラファエル様がそうですよ、とわたしにこう付け加えてきた。
「ただ、戦わずして事を収めるというのは意外でしたけどね。それがあなたの『やさしさ』なのかもしれません」
「ラファエル様」
「レミエルの夜の世界に降りてきた天使を治癒したこともですが、あなたの内に秘められた『力』は、
あなたの精神―心の強さが鍵になっているみたいですね」
「心の強さ……?」
「そういえば、その彼はどこにいるんですか、レミエル」
 メタトロン様がレミエル様に訪ねると、彼は後でここに来ますよと返してくれた。



 お茶とお菓子をいただいていると、草原の向こうから白金の巻き毛の天使がこちらに舞い降りてきた。
「すみません、遅くなりました。しえるさんがこっちに来ていると知って飛んできました」
「あ、こんにちは。お久しぶりです」
(あれ?前に出会った時よりも、髪の毛少し伸びてる?)
 わたしがなんとなくそう思った時、ラファエル様がスッとわたしに赤いサテンリボンを差し出してくれた。
 もしかして彼の髪の毛を結え、ってこと?
 ラファエル様からリボンを受け取ると、わたしは巻き毛の天使に声をかけた。
「あの、髪の毛結んでもいいですか?」
「はい」
 彼が笑顔で答えてくれたので、わたしは巻き毛さんの背後に周り、後ろの髪の毛を一つに束ねて、リボンで結んだ。
「これでいいですか?」
「はい、ありがとうございます」
「おー、なかなか似合ってんじゃん」
 ミカエル様がその髪型を見つめていると、ラファエル様はよかったですね、と微笑んでくれた。
 天使が一人加わったところで、再びわたしたちは天使たちとお茶会の続きを楽しんだ。
 どのくらいの時間が経ったのだろうか、辺りは黄金色に包まれ、草原は段々闇に包まれていく。

 気が付くと、わたしとその場にいた天使たち全員は、宇宙空間の中に立っていた。
「さて、そろそろお開きにしましょうか」
 ウリエル様がそう言った後、ふと目の前に青い地球が姿を現した。
 わたしが後ろを振り返ると、天使たちは温かな瞳でこちらを見つめ、一人ずつ順番にわたしをそっと抱きしめてくれた。
「またどこかでお会いしましょう」
「身体に気をつけてなー」
「何かあったらすぐに呼んでくださいね」
「また私の図書館に来てください」
「今度会う時は一緒にお茶しましょう」
「次は花園でお散歩しましょうね」
「リボン結んでくれてありがとうございました」
「そなたのことはずっと見守っておるぞ……また会おう」


……そして、最後に。
「わたしたちはいつも一緒だからね」
 もう一人のわたしが笑顔でそう言った後、わたしは笑顔でこう返した。
「みんな、ありがとう……またね!」
 その直後、わたしの身体の周辺にふわりと透き通った一枚の帯布が包み込むように姿を現すと、
自分の身体がふわりと浮かび、その場から離れていった。







 天使たちと別れてしばらくの間、わたしは宇宙空間の中に一人で漂っていると、ふと見覚えのある姿が一つ。
「あ、ルーファ!」
 わたしがそう言った瞬間、胸のあたりがぽかぽかと微かに熱を帯び、そこからスッと光の球体が現れた。
 球体はルーファの方へと飛んでいき、彼女の身体に吸い込まれた。
 わたしはルーファの元に辿り着くと、彼女は笑顔でわたしに語りかけるように話し始めた。

 「わたしはあなたの半身なの。いまはまだ眠っている、あなたの可能性……未来……それがわたし。だからわたしはあなたで、あなたはわたしなの。困ったことがあったら、苦しいことがあったら、これからもいつでもわたしのことを呼んでね」
 ルーファがそう言った後、彼女の姿は少しずつ黄金色の光を帯びていった。
 それと同時にわたしの体もうっすらと輝き始め、やがてお互いの光が溶け合っていく。
 ゆっくりゆっくり、わたしとルーファは一緒になっていき、目を開いたままでも、辺りは一面の光で包まれていた。









 
 気が付くと、わたしはどこか別の場所にいた。
 見覚えのないそこは、いつかはわからないけど未来なんだと、そう確信した。

 その中で、二つの声が聞こえてきた。最初は微かだったその声は次第に大きくなっていって―……。







「ねえあなた、私、赤ちゃんができたのよ!」
「本当?!それはとても楽しみだね」

 ……あれ?

「早く生まれておいで」
「私の赤ちゃん」

 この二人の声、どこかで聞き覚えがあるような―……。
 もしかして、と頭の中で声の主を予想し、その直後に、それは自分の未来の両親になる人たちだと。


 そしてそれ以外にも、未来のわたしの誕生を待ち望む人々の声が聞こえてくる。
 こだまする声と想いに包まれながら、わたしはふと自分の目の前に白い扉があることに気づいた。

(そうか、あれはわたしの『未来』の一部なんだ……)
 そして、この扉の向こうにあるのは、『現在』に戻るための扉だということ。

 わたしは扉の取っ手に手をかけ、そっと最後の扉を開いた。









                       「 お 帰 り な さ い 」
 
















 最後まで御精読ありがとうございました~。
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    23:25 | Comment : 2 | Top
Comment
2008.06.19 Thu 12:31  |  るか #-
ここまで丁寧な記事にしてくれてありがと!
こちらも楽しんで読めました~~

各々の天使との会話、こちらからふると面倒な事になりそうだったんですっ飛ばしたんですよ。
そこまできちんとやってくれたのがすごいと思うよ。
夏祭りもよろしくvvv
ありがとーv  [URL] [Edit]
2008.06.22 Sun 19:18  |  しえるさん #h5k0ubXg
 るかさんもテンプレありがとうございました!
 8夜分も大変だったでしょうけど、わたしもとても素敵なワークをノベライズできて楽しかったです。
 またこういう企画があったら書かせていただきますのでよろしくおねがいいたします~。
こちらこそありがとうございました!  [URL] [Edit]







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