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天使とお茶会 第七夜

 お待たせいたしました。一ヶ月ぶりに月花さんちの天使とお茶会 第七夜、アップいたしました。



 このお話は月花さんの『天使とお茶会』のイメージワークに対して、こちらで出てきたイメージにアレンジしてノベライズ(?)したものです。

 わたしの長い旅もいよいよ終盤に突入。
 夜の世界を経て、さらなる次の世界はどんな場所なのか―……? 

 以下クリックで本文へGo!↓



















 

 わたしは暗い階段をずっと降り続けて、一番最下層まで降り切った。
 そこから少し通路を進むとそこに大きな扉がひとつ。
 黒檀でできたそれは精緻な細工がほどこされ、通路の質素さとは正反対で、わたしはそれをしばらく眺めてから、手を伸ばしそっと触れた。
 重さを感じさせず音もなく扉が開くと、その向こうには、夜の世界が広がっていた。
 真っ暗ではないけれど、何本もの柱が天に向かって伸びている。
 規則正しく並んでいる柱は、かなり遠くまで続いていて、その闇の遠い果てに一つの星が輝いていた。

 そこからわたしは光に向かって歩き続けると、その途中で列柱が途切れ、大広間のようになっている所に出た。
 そこはとても広く、壁も天井も柱も美々しく飾られているけど、まったく人気がなく静まり返っている。
 広間の奥は一段高くなっていて、その壁にはわたしが目指してきた光があった。その下には玉座があり、短く切りそろえて綺麗に纏めた艶のある黒髪に、黒の長い衣と外套を纏った、30代くらいの長身の男性が座っていた。
 彼がこちらに気づくと、ゆっくりと立ち上がり、わたしの目の前に歩み寄ってきた。
「……よくここまで参られた。そなたは私の名前が分かるか」
 そう言いながら、彼はわたしに微笑んだ。
 わたしはすぐに彼の名前は浮かんだけど、何も言わずに小さくうなずくと、ゆっくりとわたしを抱きしめた。
「ここ来るまで、色々とあっただろう? よければ、話して聞かせておくれ」
 わたしの背中を軽く押して促しながら、彼はわたしの手を取り、玉座まで導いてくれた。

 玉座に座った彼の傍らに足をくつろげて、わたしはここまでのことを話し出した。
 話している間、彼は時々頷き返し、その間に広間は徐々に明るくなり、柱に飾られた蝋燭に灯りが灯っていく。
 空中に浮かぶ様々なクリスタルがその光をさらに反射し、奥の星は、ますます輝きを増していった。
 
 わたしは話しを終えて、その星を見つめていると、座っていた彼が立ち上がり、こう尋ねてきた。
「闇とはなんだ。光とはなんだ。答えの一端くらいは掴めたかな」
 わたしは瞬きを一つすると、今度は全てが漆黒の闇となり、それを背景に瞬かない星たちが輝きだした。
 幾億もの星が集まり、星団を形作る―その宇宙空間の中に、わたしと彼がたたずんでいた。
 やがて星は猛烈なスピードで動き、一つの星団がわたしたちを呑みこんでいく。

 銀河系……

 太陽系……

 そして気がつくと、自分の目の前に見覚えのある天体―第三惑星・地球。
 青い水の星が、宇宙空間に浮かんでいた。

「なぜそなたはこの星を選んだ?そして、人として何を学ぼうと思ったのだ?……そして、今生では何を知るために地に降りた?」

 彼にそう尋ねられ、わたしはしばらく間を置いてから、口を開いた。

「……わたしはかんむり座のシータ星から来ました。きっかけは、この惑星を見て、『行ってみたい』と思ったからです。その最初はなんとなくだったんだけど……ある日、ある一人の歌姫さんに出会って、彼女がこの星―地球に行くということを知りました。彼女の使命は、地球上に存在する、全ての命あるものに歌を歌い、癒すことだと話してくれました。その後、わたしは自ら志願して、この地球に降り立ったのです」
 
 そこで一旦話を切り、わたしは彼にこう打ち明けた。

「わたしは人間の姿はしているけど、人間じゃない……でも多くの人々と出会い、多くのことを知って学び、一日一日を過ごしています。いつか故郷の星に帰るその時まで」

 話を終えたわたしに、彼はそうか、と首を縦に振ってから微笑み、見てごらん、と足元の方を指し示した。
 視界をそこに移すと、ものすごい速さで映像が一気に変化していく。
 急速に降下し、雲を抜け、大地が迫り、街並みが近づき、一つの家が見えてきた。
 その屋根の下には、空を見上げて―こちらを見ている『わたし』がいた。

「今現在の自分に、何かメッセージはあるかい?」

 いきなり彼にそう言われ、わたしは少し間を置いてから、こう返答した。

「うーん……特にないというか……わたしはわたしだから、多分伝えなくても大丈夫かな、って」

 その後、わたしが瞬きをすると、宇宙も地球も消え去り、元の大広間に戻っていた。
 彼が空中に手を伸ばすと、変わらず輝き続けている星の一部がその手の平にスッと降りてきた。
「―この光は私。光に対しては闇であり、闇にあっては光である」
 彼はその手をわたしの額にあてがうと、それが自分の中に融けこむように流れてきた。
「そなたの内を覗いてごらん。そこにも宇宙があるだろう。今、見てきたばかりと同じものだ。この広大な宇宙をそなたは旅しているのだよ。私は闇としてそなたに寄り添い、光として導こう。その額の証が標(しるべ)となる」

 彼の手が離れていくと、星の光は眉間に吸い込まれて消えていく。
「そして……天使とは何者か、分かったかね?」
 その言葉にわたしがうなずくと、彼は穏やかに笑いながら、玉座の裏へと回り込んだ。
「さぁ行きなさい、旅が終わる」
 その玉座の裏、星の下には小さめの扉があった。



 わたしはそっとその扉に手をかけると、扉の間から光があふれ出て、視界は瞬く間に真っ白になった―……。







 To be continue……
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