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天使とお茶会 第六夜

 このお話は月花さんの『天使とお茶会』のイメージワークに対して、こちらで出てきたイメージにアレンジしてノベライズ(?)したものです。
 前回のお話(第五夜)はこちらです。

 いろいろな世界を旅しながら、天使たちと出会う『わたし』の物語は急展開に突入。
 今回のお話、天使とお茶会 第六夜の月花さんによるテキストはこちらでございます。
 以下別窓で本文(第六夜)へれっつらごー♪↓














 世界樹の根元に出来た、大きな穴。
 暗く深く地中へと続いていくその入り口から覗き込んだ後、わたしは不思議そうに言った。


「―闇の門?」
 隣にいるウリエル様に聞き返すと、彼は無言で頷いた。
 穴は、地下へと降りていく階段になっているようだけど。
「かつて、遥か遠い昔……もとは一つだった光と闇が分かたれました。そしていつしか人は、闇を恐れるようになったのです。闇の神性は堕とされ、徐々に闇へと通じる道はふさがれていきました。その道が、あなたのお陰でまた開いたのですよ」

 そう言ってウリエル様は、そっとわたしから離れた後、柔らかく微笑んだ。
「さぁ、お行きなさい。貴方の旅路に神のご加護があらんことを」
 彼の右手から一本の松明が姿を現し、私に手渡してくれた。

「……ありがとう。行ってきます」

 ウリエル様に手を振った後、わたしは穴の中へと入り、階段を降り始めた。
 丸太の棒で区切られた階段を降りるにつれて、辺りはだんだん光りが届かなくなり、真っ暗な世界へと変わっていく。
 壁と地面は降り始めた最初のころは土だったものの、いつしか石造りへと変わっていて、わたしは緩やかにカーブを描き続けながら、下へ下へと降りていた。
 (なんか螺旋階段を降りているみたいだなぁ……)

 数十分後、ようやくわたしは踊り場に出て、辺りを見回すと、古めかしい木の扉を見つけた。
 どうやら鍵はついてないようだ。
 わたしはその扉をおそるおそる押すと、いとも簡単に開いた。






 その扉の向こうに見えたのは、真夜中の草原。
 空には青い星が瞬き、天の川がひそやかに煌めいていて、草原には、様々な花が咲き乱れていた。その中にはまるで蛍のように淡く発光している不思議な花もあった。
 
 心地よい夜風が吹き、虫の音が鳴り響く花畑を暫く歩いていると、長い黒髪を後ろで一つにまとめた青年が立っていた。
 薄いピンク色の肌に、雪のように白く長いローブをまとい、背中には白い大きな翼が一対。
 灰色がかった紫の瞳を持つ天使は、わたしを見て小さく一礼した。
「いらっしゃい。よくぞ地の花園にまで降りてこられましたね」
 彼はわたしの手を取り、にこやかに微笑んだ。 
「久しぶりの客人なのですよ。どうぞゆっくりしていってくださいね」
 青年はわたしと手をつないだまま歩き出し、道案内をし始めた。
 彼と一緒にしばらく歩き続けると、さっきの花畑を一望できる小高い場所にたどり着いた。
 そこにはテーブルと椅子が用意されて、二人の小さな天使たちがお茶の準備をしていた。
 彼に勧められるままに椅子に座ったわたしは、美しい景色を見つめていた。

「―さて、自己紹介がまだでしたね」
 
 その言葉にハッとして我に返ると、自分の目の前にさっきの青年が座っていた。

「私の名はレミエルです。この地の花園を守っているものです」
「あ、はじめまして。しえるといいます」
 よろしく、と小さく礼をした後、彼はお茶をどうぞと勧めてきたので、わたしはテーブルの上に置かれた
紅茶の入ったカップを手にとり、それをいただいた。
「おいしい……」


 ―あれ?
 このお茶、フレーバー(香り)が違う……ダージリンの茶葉と、それ以外に何か入ってる?
「どうしました?」
「あ、えーと……この紅茶の香りがちょっと気になったんです」 
「ええ、これは私のオリジナルブレンドです。『真夜中の夢』っていうんですが」
 ふわっとした優しい花の香りは、さっきの草原に咲いていた花―『蛍灯草』(ほたるびそう)を使ったとのこと。
 レミエル様は草原に咲いているいろんな花を使ってブレンドしたフレーバーティーを日夜開発していて、後で彼から透明な硝子瓶に入った茶葉を見せてもらった。 
 
 お茶とお菓子を頂いてごちそうになったわたしは、レミエル様と一緒に来た道を戻り始めた。
 満天の星空の下を歩き続けていると、突然上空から何かが降ってきた。
 最初は流れ星のように小さな光だったそれは、次第に明るさを増してわたしたちの前で静止し、その光が消えると、ボロボロに傷ついた一人の天使が横たわっていた。
 白い翼は折れ、体の傷からはおびただしい血が流れているのを見て、レミエル様が眉を顰めて彼に尋ねた。
「邪と戦ったのですか?」
レミエルの問いに、天使は黙って頷きます。
「こんなになるまで傷ついて……それでも、あなたは人を護りたいのですね」
続けてレミエル様が言うのに、天使は首を小さく縦に振るのが精一杯のよう。
「この身はどうなってもいい。ただ私は人を救いたいのです」
天使は静かに言った後、レミエル様がこちらを振り返って一言。
「しえるさん、この天使(ひと)を癒してくれませんか。大丈夫、あなたになら出来ますよ。」
「えええええっ?!」
 ちょ、ちょっと待って、いきなりですかー?!
「私がサポートしますから。ね?」
 さらに畳み掛けてお願いしてくるレミエル様。
「うーん……天使をヒーリングってやったことないんだよねー」
 でも、少しでも何かできるのなら、ということで、わたしは二つ返事でやってみることにした。


「怖がらなくてもいいですよ。あなたはただ大いなる力の源から、彼に力を送ってください。力を伝えるパイプになるのです。『癒し』とは、誰かが誰かに施すものではありません。傷ついた者は、本来は自分で自分を癒す力を持っています。その力を、あなたが少し後押しするだけです」
「えっと……ようするにわたしが『媒体』になればいいのかな?」
 そうです、とレミエル様が頷いた後、わたしの右手には、一本の水晶の柱が姿を現した。
 以前黒い竜と対峙した時に出てきて、使ったのと同じものだ。
「それじゃあ、この水晶を使ってやってみるね」
 わたしは両手で水晶を持ち、傷ついた天使のそばに座り込んだ。

「―まず、あなた自身がしっかりと大地に根ざしていなければなりません。自分が揺るぎない錨であると想像してみてくださいね。それから、意識の一端をはるか上空へと伸ばすのです。そこであなたは大いなる力の源にアクセスし、光を愛を降ろしてくるのです。降ろされた大いなる力を、彼に送ってみてください。」

 レミエル様の指示を聞いて、わたしは半眼にして意識を集中した。
 天と地をつなぐものとして、自分自身が柱となり、そこから天に向かって気の力を伸ばしていく。
 それが天に届いたところで、今度は地上にいる自分へと気の力を降ろす。
 愛に満たされた光の波動が、自分の元へと降りたところで、手にしている水晶を経由して、
 傷ついた天使へと力を送りこんだ。

 光の波動が天使に送り込まれると、彼の傷と折れた翼は瞬く間に癒えていき、わたしの傍らにいたレミエル様が、優しく微笑んでくれた。

「やった、治ったー!」
 よかったですね、とレミエル様がほめてくれると、さらにこう付け加えて言った。
「忘れないでください。あなたには世界を救う『力』がある。それはけして大げさでも誇大妄想でもありません。事実なのですよ」
 あなたにもできることがあるのですから、と彼は立ち上がったわたしに笑顔を見せた。
 
 そうして、傷が癒えて力を取り戻した天使は、凛とした眼差しでわたしを見つめると、恭しく頭を下げた。
「ありがとうございます、しえるさん。これからあなたの身に何かが起きたら、遠慮なく私を呼んでください。いつでも、あなたを守るために私が参上します」
 紺色のローブに背中には白い翼、白金の巻き毛の短髪に鳶色の瞳を持つ天使が加わって、わたしたち三人は木の扉のところまでたどり着いた。

「ここからまたさらに地下へと降りていくんですか?」
「うん、とりあえず一番下まで行ってみようかなって」
「気をつけてくださいね、旅のご無事をお祈りしております」

レミエル様ともう一人の天使の二人と抱き合って別れた後、わたしは木の扉を開け、再び階段を降り始めた―……。













 To be continue...
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