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天使とお茶会 (第四夜)

 このお話は月花さんの『天使とお茶会』のイメージワークに対して、こちらで出てきたイメージにアレンジしてノベライズ(?)したものです。
 前回のお話(第三夜)はこちらです。

 いろいろな天使たちと出会う『わたし』とルーファの旅もいよいよ中盤へ。次はどんな場所、どの天使に出会うのでしょうか?
 今回のお話、天使とお茶会 第四夜の月花さんによるテキストはこちらでございます。


 以下別窓で本文(第四夜)へれっつらごー♪↓




























 わたしが扉を開けると、その向こうの世界は自分が以前見覚えがある場所だった。
 吹き抜けの天井に、広い玄関の中央には巨大な水晶球が置かれ、両側に階段がつけられている。
 玄関をさまざまな世界から訪れた人間や動物たちが行き交い、太陽の光が天井につけられた窓を経て射し込んでいた。

「ルーファ、わたしこの場所に見覚えがあるんだけど……」
「そうなの?」
 日本鹿のルーファがわたしの言葉に対して口を開いた。
「前に来たことあると思うの。ここ、多分『宇宙図書館』っていう所じゃないかな」
 わたしは彼女にそう言った後、水晶球に視線を移した。

 宇宙図書館は果てしなく広がり続ける宇宙のあちこちに点在し、そこに行くには次元を超える術ないし力を使わないと辿り着けないと言われている。 
 
「さっきのあの扉がここにつながるようになってたってことかぁ……」

 内包物がひとつもない水晶球を見つめていると、カツン、カツンという靴音が聞こえてきた。
 それに反応し、顔をあげて振り返ったわたしの目の前に現れたのは、短い銀髪に灰色がかった瞳を持ち、一対の白い翼を持つ天使だった。 
 紺色の長い上着を纏い、右手に本を携えた彼は微笑みながらわたしに一礼した。
「ここは時の集う場所。過去は今とともにあり、未来もまた今ここにあります。よくここまで来ましたね、私の名はメタトロン。」

―立ち話は味気ないでしょう、お茶にしましょうか。

 メタトロン様はこちらへどうぞ、とわたしたちの先導をしてくれた。
 彼の後についてエントランスを出ると、中庭を囲んだ回廊を歩いている途中で、ふと彼が立ち止まった。
 重厚で繊細な金の細工を施された白い扉を開き、わたしたちをその中へと入れてくれた。
 そこは建物の中なのにとても広く、どこまでもどこまでも続いていくようで、大きな本棚が壁のようにずらり並び、梯子を使わなければ届かないような所にまでところせましと本が並んでいた。

「……ここはどこですか」
 わたしがメタトロン様に尋ねると、彼はふっとこちらに微笑んでから再び歩き出した。
「あなたの過去と今と未来がある場所です」
 そうして彼は、一つの本棚の前で立ち止まり、わたしの方を振り向いてこう言った。
「自分の本がどれか、分かりますね?」
 そう言われたわたしは、その本棚をじっと見つめた。
 何百冊もある本の中から、濃い紺色の背表紙の本が目に留まり、それを棚から取り出した。
 細やかな金の模様で表紙を囲い、片手で持つとずっしりとした重さがある。
「さぁ、本を見るのはお茶をしながらでもいいでしょう」
 メタトロン様はそう言った後、来た道を戻って部屋を後にし、わたしたちを中庭へ通してくれた。
 鮮やかな緑の芝生が広がる庭の一角にテーブルと椅子が置かれ、そこでルーファがタタッ、と駆け足で何処かに行くと、一分も経たないうちにお菓子が入った皿を載せたトレイを持ってきてくれた。
 メタトロン様からどうぞ、と椅子を勧められ、一番近くの椅子に腰掛けると、ルーファがティーセット一式を載せたワゴンを押してきて、わたしの隣で足を止めた。
「それでは、お茶をいただきましょう」
「はい、いただきます」
 わたしとルーファはメタトロン様と一緒にのんびりとお茶を楽しんだ。
「このお茶はダージリンですか?」
「ええ、そうですよ。よくお分かりで。わたしの好きな紅茶なんですよ」
「そうなんですか。わたしも好きなんです」
 一緒ですね、と顔を見合わせて笑った後、わたしの横にいたルーファも小さく首を縦に振りながらお茶をすすっていた。
 メタトロン様が焼いたダージリンの葉を入れたクッキーをいただいた後、彼がさっきの本を開いてごらんと勧めてきた。
「あ、この本ですか?」
 わたしはテーブルの上に置いていた本を手にし、無造作に開いた。
 そのページには、何も書かれてなく真っ白だった。

「……あれ?」

 思わず目が点になったわたしに対して、メタトロン様はこう言ってきた。

「しばらくそれを見つめ続けてください」

 そう言われるがままに、わたしはそのページをじっと見つめ続けていると、突然視界が真っ暗になった。



(……えっ?)


 ふと我に返った時、そのぺージには一枚の銀河系の写真が現れた。
 幾千幾億もの星によって形作られたその美しさにわたしはしばらくの間見とれていた。

 顔を上げるとメタトロン様がわたしに微笑んでこう言った。
「そのメッセージは、今のあなたにとって最も必要なものです。前世の記憶である場合もあるし、はるか遠い未来の記憶のことかもしれません。もし仮に意味が分からなくとも、憶えておけばいつか判る時が来るでしょう。」
 ページを閉じて本をテーブルの上に置いたわたしに、彼がやさしく抱きしめてくれた。
「憶えていてくださいね、私は常にあなたの味方です。あなたが再び迷う時が来たら、いつでもここへおいでなさい。」
「はい。本、ありがとうございました」
 わたしはメタトロン様に本を返すと、彼は中庭からエントランスに戻り、さっきわたしたちが来たのとは別の違う扉の前に立った。
「あなたと一緒に過ごせて楽しかったですよ。また来てくださいね」
 メタトロン様と握手をし、ありがとうとお礼を言ったわたしは、扉のノブに手をかけた―……。







 To be continue...
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